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寺坂泰則 『アドリブコラージュ展』



寺坂泰則
『アドリブコラージュ展』
2017.4.30-2017.5.6
at WEST 2-E

超クールじゃないですか?
この写真、ある一枚の作品のごく一部を切り取ったモノなのですが、
どこを切り取ってもそれだけでカッコイイ。

寺坂泰則さんの自身初個展となる『アドリブコラージュ展』は、「コラージュ」と一言で片付けるには惜しい、尖った作品であふれかえっています。





冒頭の写真の全体像がこちら。
おそらく切り取ったのは100分の1スケールくらいでしょうか。

こうやって遠巻きに見てみると抽象画のようでもありますが、先程のようによく近付いて見るとその実数えきれないほどのマテリアルで構成されているということがわかります。

ポップアートを内包した抽象画といいますか、アメリカの現代美術の良いところを存分に吸収した作品といえるかも知れません。




直角に隣接した壁面には20世紀アメリカを代表する名だたる著名アーティストのポートレイト作品が並んでいます。こちらはJazz Pianistのセロニアス・モンク。

本人をして「下手糞の中にも『感じ』が出るような絵」と表現されていますが、つまりそれは『味』があるということだと思います。

そのほかには巨匠マイルス・デイビス、ルイ・アームストロング、ビリー・ホリデーなど錚々たるメンツの肖像がフレームに収まっています。まさか彼らも原宿の片隅にある小展示室で一堂に会することがあろうとは、想像もしていなかったでしょう。セッションが聴こえてきそうです。




本題といえば本題なのがこちらの作品群。
展示タイトルにある「アドリブコラージュ」の手法で制作されたものです。

一枚一枚はちょうどポストカード大ほど。
しかしその中にも、どこからか集められてきた雑誌の切り抜きなどあらゆる素材が詰め込まれペーストされています。

一つひとつを取ってみればなんてことない欠片が、組み合わせてみると想像を越えた形を成し、新たな意味を与えられる。コラージュ作品の面白さはそこにあります。


すべてのマテリアルを再び繋ぎ直してみたらいったい雑誌何冊分くらいになるのだろう。
ついそんなことまで想像してしまうほどの物量で、見応え十分。

ちなみに「アドリブコラージュ」の作品は1枚¥300-と大変お求めやすい価格。
¥300で複製不可能なコラージュアートが自分のものになるなんて!


【 展示スペース : WEST 2-E 】

written by isaka