S.Y.N. 『Alice's Reverie Specimens』
2016.12.9 - 2016.12.11
EAST : 203
写真とイラスト作品の組み合わせによって表現される、
アリスの不思議な『少女標本』
画: 桜木晴野(@ManjuModoki)
写:やじ(@yaji_photograph)
総:Nトゥ(@EnuTo)
懐中時計、掛け時計。
空間を作品に近づける装飾品とともに、
写真作品とイラストが寄り添うように展示されている。
それらは全く同じ状況を再現しようとせず、
向かうべきベクトルだけが共有されている。
イコールじゃなくて、ニアリーイコール。
「アリス」という概念を取り扱うに際して、
作品として彼女を取り上げる度に、
新たなアリスが生まれる、パラレル。
イラスト内部のアリスは、
鑑賞されることを意にも介さず、または知らずか、
まどろみの中で私達は違う速度で生きている印象。
対して、写真の中に生きるアリスは、
鑑賞されることを十分に意識し、写されている。
鑑賞者は散らばるアイテムやヒントを拾い上げ、
時には補完し、より具体的なアイディアにより、
作者が意図するイメージを掘り当てようとする。
姿勢が、表情が指し示すのはあくまで表層に過ぎず、
寄り添う二つの作品は互いに、
ニアリーイコールを目指していると考える。
場所もメディアも全く異なる世界の映しであるが、
また寄り添う時計は一つの時刻を、会場内で示す。
イコールを揺るぎない正と捉えることなく、
拡大解釈も婉曲も容易、フレキシブルなアリスたちを、
定まらない指標の中で鑑賞してはいかがでしょう。
彼女達はそういう性質をもって生まれたのです。
S.Y.N. 『Alice's Reverie Specimens』
2016.12.9 - 2016.12.11
EAST : 203
画: 桜木晴野(@ManjuModoki)
写:やじ(@yaji_photograph)
総:Nトゥ(@EnuTo)