JETWRENCH SOLO SHOW
「THE ENAMEL MONSTER」
2016.12.16 - 2016.12.18
EAST : 202 SPACE
白色の壁面に鮮やかなアートピースが点在する、
JETWRENCHさんが描く、エナメル製のモンスターたちのソロショウ。
本展示会は長年、当施設をご利用頂いている、
バーンナウトマガジン「THE NASH」さんの協力のもと開催されています。
「V8 monster」
照明からの光を照り返し、
過剰とも言えるまでの彩度を保持し、表現されるアートワークは、
ピンストライプと呼ばれるペイント技法を用いて制作されています。
アメリカ発祥のこの技法、エナメル系塗料で描画された作品は、
驚くほどに精巧に仕上がっていますが、
頭部からひねり出されたような瞳や皮膜を突き破らんばかりの血管、
それら全てがフリーハンドであります。
「Piggy Shot」
JET WRENCHさんのオリジナルキャラクター
「Piggy」がスクエア状のキャンバスの中央にひょっこり登場。
SHOT と言う文字も影響し、的の標的にされたみたいだ。
狙うは彼が一つしか持ち得ない、まん丸大きな瞳である。
そんなモンスターという言葉に象徴される彼らの立場と、
外見、憎めない、愛らしい、悲しませたくはないのです。
「Newborn Chad」
産まれたて、ほやほや、赤ん坊。
そんな彼が生まれた母体は、塗料の缶!?
滴る液体は、おしゃぶり横から溢れ出た涎か、
それとも塗料の残りか。
彼を構成する要素とは?
「モンスター」だからこそ、
非常識で、非現実的でいられるし、
絵画作品の内側で、アートの中で生きていられる。
まさに今の環境は、彼らに適した環境なのである。
「Franky Chad」
ベースはフランケンシュタインだが、
異種間配合が行われた様子が伺える。
倫理的に考えれば首を90度くらいは傾けたくなるが、
前述の通り「モンスター」という言葉の効用もあり、
それら諸問題を音もなくスルーし、
かつ JET WRENCHさんの手により、変化・進化・改良させられた彼らは、
不満など微塵も感じさせず、自我の崩壊も感じさせず、
異なる環境に最適化されたような印象を与えるのだ。
不思議、いや奇妙と近い。
アートの中でこそ、自由に羽ばたくことができる彼らを、
次々産み出し、制作を重ねることで、
JET WRENCHさんが手がける、モンスター達の庭が密度を増していく。
いつか、庭で抱えきれなくなった彼らは、
与えられた場所を飛び出そうとする好奇心を持っているように思う。
もしかしたら、その姿、また違った場所で見られるかもしれない。
彼らはどんな生活様式を好むのだろうか。
想像できる全てが、彼らの進化の可能性そのものである。
JETWRENCH SOLO SHOW
「THE ENAMEL MONSTER」
2016.12.16 - 2016.12.18
EAST : 202 SPACE