デザインフェスタギャラリーのWEST館とEAST館の間に位置するお好み焼き屋、さくら亭をご存知だろうか。
日夜多くの来客で賑わっている原宿のオアシスだ。
海外からの来客も多い。
そのさくら亭の玄関口には、アートが所狭しと展示されている。
一体、誰がこんなことを……?
その疑問はこのブログ記事 こうたろうのブレない仕事 シリーズで明かされるだろう。
ブレない仕事に定評のあるこうたろうであるが、
裏方に徹する彼のことを知る者はまだまだ少ない…
さて。
今回、さくら亭のエントランスギャラリーを飾るのは、大野ともえさんの作品です!
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg9Crxw1F60HZzXD3t7XeW8lk5UAg6lYBWHw6hz7v0D3IszJJO-zfxcyqMkACXSBQoB5kb8bzZOc5Ls1tERIDYG06rEoa7V40bF-ZXaTQ59bN1pP4Syr5UnlWyOKKv4wt4_SrsJ9DWZWE2x/s640/02.jpg)
私が現場に到着すると彼は既に作業に着手していた——。
今日の彼は丸衿のシャツを羽織っていた。
インナーはボーダー柄。
トレンドマークの金の丸眼鏡も健在だ。
いつもファッションセンスで私を安心させてくれる。
“ギャップ”……とでも言えばいいのだろうか。
時折、彼の仕事ぶりを見ていると作業着を来て然るべきなのではないかと思う。
だが、彼はそんな「型(タイプ)」には捕われない。
昔気質の職人としての資質と、現代のファッションリーダーとして資質が同居したような男なのだ。
もくもくと作業を進めるこうたろう。
その眼差しは真剣そのものだ。
私は彼に声をかけた。
「それにしても、こう毎日のように同じことを繰り返していてはさすがのこうたろうさんもどこか倦怠感を覚えたりするのではないですか?」
こうたろうは答えなかった。
集中していて私の声が聞こえなかったのだろうか。私は黙って彼の作業をみつめていた。
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今回こうたろうが展示している作品は 大野ともえさん の作品です。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgpRNRDvXbwsaTiSVpUpuuTlPaVT0G5LI52t4JHINz76NXQjgrF5uJZnKK4BRavoVGKX1g49wpg6qdIhn8XG8iduqs-wP_H5zlUqdJRpP8_YVJ0Raz5C3V_yLs-_df2zevzx08fv3m_F_Pv/s640/04.jpg)
展示品のひとつ、コラージュ作品です。
この無機質な世界が最大の魅力ではないでしょうか。
デジタルではなく、ひとつひとつ切り抜いて作られているということです。
大野ともえさんの独特の感性から生まれる風景はどこか記号的だと思うのですが、みなさまいかがでしょうか。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgLlDVmUp25A40a6jiLOFVAPyp1_D_ZLkIZafnz7MoiMjSqfizbUsc4MKQQgH5ERO4GjKihwahKKRlPoq-JF1B2W6_aQh7PfkL94Nyh1yiZSNVQOoUCm8b4-XCG51XBOlxEWKcu3ReMf4TT/s640/01.jpg)
サイズも大きく、さくら亭のエントランスギャラリーを盛大に盛り上げる作品たち。
是非実物をご覧下さい。
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その後、邪魔をしまいと私は口をつぐんでいた。
10分程でこうたろうは展示を終えた。
そして口を開いた。
「——Don’t say, “Always”! Nothing in this life is for “Always” ……キミはこの言葉を知っているかい?」
「い、いえ……どういう意味ですか?」
私は唐突な質問にしどろもどろに答えた。
「アメリカの漫画家、チャールズ・モンロー・シュルツ(Charles Monroe Schulz)は知っているだろう。世界中で人気のキャラクターであるスヌーピーで有名な漫画、“ピーナッツ”からの一文だ。意味は、「いつも」なんて言うんじゃない!人生に「いつも」なんてないんだ。」
これは紛れも無く先程私が彼に問い掛けたものへの返答であった。
「私はこれまで何千、いや、何万という作品を見て、飾った。そのどれもがまったく新しい体験であった。同じではない。同じだと思い込んでいるだけなのだ。」
「……。」
「恥じることはない。それが自然なのだ。しかし、同じ今日は二度と来ない。そう思って1日を過ごせばキミの人生は今の何倍も豊かになるだろう。1日の終わりが人生の終わりだと思って毎日を過ごしてみてごらん。きっと、今とは違った世界が見えてくる。」
私は彼のシャツの丸衿を見ていた。
“ 何故、丸いのか ”
そればかり考えていて、彼の言葉は途中からよく聞いていなかった——。
今回ご紹介した大野ともえさんはDFGで((((( Valley between mountains )))))という個展を開催されました。
そのときの様子は下記URLでご覧下さい♪
((((( Valley between mountains )))))
http://designfestagallery-diary.blogspot.jp/2016/04/valley-between-mountains.html
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お腹がすいたときは!
【 お好み焼き・もんじゃ焼き さくら亭 】
【 こうたろうのブレない仕事シリーズ 】
こうたろうのブレない仕事 第一話「金縁眼鏡」
こうたろうのブレない仕事 第二話「マスタード色のカーディガン」
こうたろうのブレない仕事 第三話「フラボアを着た職人」
こうたろうのブレない仕事 第四話「鬼」
こうたろうのブレない仕事 第五話「禁断の強アルカリ洗剤」
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