中西さんは毎回ゆるさで笑わせてくれるんですが、ゆるさだけではなく色んな媒体に挑戦しているところも面白いので、今回はそこをピックアップしてみました。
一枚目の絵は油絵の具で地を作り、絵の具や新聞紙で盛り上げた上に、アクリルを塗っています。アクリルだけ、油だけでは作れない艶や起伏、肌理が面白くて（美味しそうで）見てて飽きない絵です。
下の絵は春ということで、卒業をテーマにしたもの。深くは書きませんが、机の引き出しから覗く卒業証書の筒の演出が小憎い。
やまだ さぶさん
今回は「セカイのハジマリに」というシリーズを出しています。vol.０のヘッドフォン少女、vol.1の夏を感じさせる明るい絵ときて、かぶり物をつけた学生達の絵です。伊藤さんと同じく、いい意味で「おや」がありました。
まず、今回はパネルに紙を貼ったところに描いているというのが決定的に違います。うまく言えないんですが、パネルによって壁から浮き出たこと、肌理の荒い紙質が、彼女の絵に素晴らしい影響をもたらしています。
そして、題材。かぶり物の少年少女たちの匿名性と、その悲痛な叫び声が聞こえてくる気がするんです。みんな表面上なんでもない振りしているけど、本当は色々抱えてる。そういう思春期の悩みが、素朴な鉛筆の線と水彩の滲みのなかにぎゅっと詰まっています。
見ていると息が詰まりそうになる、何かを思い出しそうになる。でも目をそらしたくない。そんな作品です。このシリーズは続くのか、それとも次は何か別のものを描くのか、本当に楽しみ。
オカニワヒロミさん
作品数も多く、大きなキャンバスがどんと貼付けてあり、とにかくインパクトのあるオカニワさんの作品です。壁一面に独特のオカニワワールドが広がっています。
作品数も多く、大きなキャンバスがどんと貼付けてあり、とにかくインパクトのあるオカニワさんの作品です。壁一面に独特のオカニワワールドが広がっています。
あいきさん
上の作品が「かに座の女の子」、下の作品が「うし座の女の子」です。星座を女の子で表現した連作が並んでいましたが、その中でもかに座＝美容師、うし座＝ミルク売ってるカウガールという発想と、その発想をこうしたポップなイラストに落とし込んだところに、あいきさんの個性が光ります。うん、可愛い！
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DF STAFF KOZUE
