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立教大学写真部 『学外展「ここんとこ」』



立教大学写真部
『学外展「ここんとこ」』
2018.12.26-2018.12.29
at EAST 201

立教大学写真部による有志の学外展が開催中。
部員それぞれが真摯に写真と向き合い、個性の光る作品が並んでいます。






年に2〜3回あるという学外展の一つが今回の展示。
テーマは「ここんとこ」。

日常の他愛もない会話のフックとしてよく使われるこの言葉をもとに、参加者が自由に制作した作品が集まっています。


大村 ゆうか『冬の夜』


ここんとこすっかり寒くなりましたよね。
ということで、冬のしんとした空気感を閉じ込めた写真です。

夏から秋にかけては夜になっても至る所で虫の声が聴こえて、その季節らしい風情を感じたりするものです。けれど冬になるとそんな虫たちもなりを潜め、静かな夜が訪れる。時折風が吹いて揺れる木々の音が聞こえるのみで、そんな場所に佇んでいるような気持ちにさせてくれる作品です。


勝水 治樹『俺たちの屋上』 


これにはタイトルにも写真にも心を掴まれてしまいました。

周辺光量が落ち濃く透き通った青のグラデーションと、立ち並ぶビルと芝生、青のコントラスト美しいですね。おそらくフィルムで撮影したものと思われますが、短編映画のワンシーンのようです。

会場にある作品解説のブックを読むと撮影者に撮ってもお気に入りの場所のよう。なんでもない日常がドラマのように写っています。


栗栖 瑞季『It's me』


トリッキーな作品ですが、これも写真です。

マン・レイが積極的に活用した手法としても知られる「フォトグラム」で制作した作品。
しかし使い方がとても大胆です。

写真印画紙の上に直にものを起き、その陰影をダイレクトに焼き付ける暗室のテクニックの一つなのですが、この作品は自身の影を投影させてできています。
文字の部分はおそらく、自身の影を焼き付ける前にアルファベットの形を切り取ったものを印画紙の上に配置し、あらかじめ露光させたのだと思います。

コンポジションはごくシンプルに見えますが、実は非常に手の込んだ作品です。


この記事で取り上げた以外にも、参加者の皆さんのそれぞれの日常に寄り添うような作品が並んでおります。年内最終日12/29(土)まで開催中です。


EAST 201