『#filmisnotdead』出展作品紹介 EAST101「A」〜「E」、「J」〜「N」




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#filmisnotdead -Film Photography Exhibition-
2018.04.29(日)〜 05.05 (土) 1週間

DESIGN FESTA GALLERY EAST 101/artpiece
全24組
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フィルム写真作品にフォーカスした企画展 #filmisnotdead。

こちらのブログ記事ではEAST101「A」〜「E」、「J」〜「N」の作品をダイジェストでご紹介いたします。




「A」ブース:JIN0320(JIN.MURASE)『この先の向こう側へ。~Maybe Tomorrow~』




AブースのJIN0320(JIN.MURASE)さんは、『この先の向こう側へ。~Maybe Tomorrow~』というタイトルのもと、「収束点」を一つのテーマとした作品を展示されています。

子どもの頃から小さな路地やそのさらに奥にある「何か」にときめきを感じていたというJIN0320さん。展示を俯瞰して観てみると、そんな収束点に着目した風景を中心として構成されています。




驚くほど綺麗なシンメトリーの構図。
「その先にあるなにか」に思いを馳せずに入られません。

じっと見入っていると吸い込まれていってしまいそうな、想像を掻き立てられる不思議な魅力があります。

http://planning-photographer.blog.jp/



「B」ブース:hajime『hajimeのhajikko』




続いてBブースのhajimeさんは過去数度DFGでも作品を発表しています。
これまではアートピースなどで作品を拝見させていただいておりましたが、今回は以前よりもサイズアップした作品が並んでいます。

アナログの一眼レフにフィルムを装填するとき、はじめの2、3カットは巻き上げのために空シャッターを切るのですが、今回の作品はそんな空シャッターの間に偶発的に意図せず写った「一番最初の1カット」を集めたもの。

三列並んでいる一番下の写真は、左側が白く飛んでいるのがわかると思います。
花自体の色彩もさることながら、偶発的に生まれたカットのため色が傾いていることで、被写体である花が艶っぽく演出されています。




こちらは以前より製作されている「豆本」。
写真では伝わりづらいですが本当に小さい、手のひらの半分くらいのサイズの写真集です。ぜひお手にとってご覧ください。

https://hajimenano.wixsite.com/hajime



「C」ブース:フィルムのススメ『今、フィルムで撮る楽しさを伝えたい…』




今回の企画展が始動して、まっさきに参加を決めていただいた、ひろきさん率いる「フィルムのススメ」のブース。「フィルムは死なない」というこの展示にぴったりのみなさんが集まってくれました。

フィルムのススメでは今回10名が参加。それぞれが2カットずつ、お気に入りのカメラにお気に入りのフィルムを詰めて撮影した作品を展示しています。




kikuikeさんのこちらの作品はこれぞフィルムならではといった渾身の一枚。
トイカメラブーム以降多重露光の手法がポピュラーになりましたが、こちらは同じ多重露光でもかなり根気の要るカット。
同じ場所の違う時間を重ねた、といえば単純ですが、寸分たりともズレてしまうとただのブレ写真になってしまう危険もはらむ大変難しい方法で撮られています。

昼の空と夕刻、夜の空がドラスティックなグラデーションを描き、非現実的な風景が映し出されています。

https://twitter.com/hr_tdb40

「D」ブース:量子『foot mark 1』




『foot mark 1』と題された量子さんの作品は、その言葉の指す通り日常の中で自身の辿ってきた足跡が写真によって表現されています。

記憶の断片と断片を繋ぎ合わせたような一連の作品。
唐突にも思える並びでも、全体像で捉えると物語性が浮かび上がってきます。




筆者はこのカットにものすごく惹かれてしまいました。
こうやって突如として現れる光の塊を見ると、まるで光自身が意思を持っていて遊んでいるかのような感覚を覚えます。流れる水のようにも見えるし、真っ白な布がひらひら垂れ下がっているようにも見えますね。

https://www.instagram.com/ryonryon_/

「E」ブース:Taro Motofuji『Siren』




一昨年行われた『使い捨てカメラ展』に続き、写真の企画展に連続参加となったMotofujiさん。現在京都にて開催されているKYOTOGRAPHIEやその他海外のアートフェアに作品を出品されるなど、幅広く活動をしている写真家です。

俯瞰して見ると印象に残るのは鮮やかなブルー。
角を曲がる女性が来ている青、金魚が泳いでいる水槽の青、タバコの向こうにうっすらと滲んでいる青。どれも違う青色ですが鮮烈に記憶に残ります。

紙のサイズと質感、そしてフィルムの粒状感のおかげで観ているだけで手触りを感じます。




ちょっと寄って見ると「手触り」の感覚が伝わるかと思います。
デジタルでも似たようなレタッチはできるかもしれませんが、アルゴリズムによりプログラムされたノイズやグレインとは違う、生の化学変化こそがフィルムの良さなのだと気づかされました。

https://www.instagram.com/taromotofuji/

 

「J」ブース:中村 静




ここからはパーティション側のブースの紹介。
壁面と比較して少しサイズは小さいですが、だからこそ空間づかいに工夫が凝縮されています。

中村静さんは一面をブラックバックにし、モノクロの写真を並べています。
白い枠を設けることでより中身のモノクロームが引き立つ、というよりも浮かび上がる仕掛けになっていて、文章、そしてドライフラワーと全て合わせて一つの作品として見ることができます。




構図の面白さと「何が写っているんだろう?」という好奇心が掻き立てられるカット。
手前にあるのは海か川でしょうか、 対岸には倉庫街と思しき建物群が見えます。この写真もいろいろ想像力が掻き立てられますね。

https://yamanashii.tumblr.com

「K」ブース:風間 善光『UKISHIMA』




子供の頃、母から聞かせてもらった場所を辿るシリーズ『UKISHIMA』を出品している風間善光さんのブース。

記憶を辿り、在りし日を再構築しようとするこの試み。薄眼を開けて眺めているような、あるいは夢でも見ているかのような、ぼんやりとした風景が写し出されています。




記憶を元にその場所を巡り、フィルムに焼き付ける。
そして現像から上がったそれらを再び眺め、振り返る。

記憶の中の景色がこうやって形として現れるまでには幾度かのタイムラグがあり、ブックを見てみるとまるで堂々巡りのように、何度もその輪郭を捉えようとしているように感じました。そのタイムラグもまた、フィルムならではではないでしょうか。

http://fuu-photo.main.jp/



「L」ブース:Ririko




喫煙=smokingにスポットを当てた作品を展示しているRirikoさん。
日々肩身が狭くなる喫煙者ですが、喫煙には喫煙の良さがあるのも事実。
それは精神衛生上の問題だったり、はたまた喫煙者同士のコミュニケーションだったり。総じて心を緩めるひとときが写し出されているのがこちらの作品です。

smokingとphotographを組み合わせた造語"smokingraph"として一連の作品が並んでいます。




「心を緩めるひととき」、その象徴的な風景がこの写真だと思います。
こう言うと語弊があるかもしれませんが、緩み切っていますね。
でもだからこそ、その人の素の部分、自然な表情がよく表現されている一枚です。

会社や学校などは喫煙場所が決まっているので、得てしてこういったコミュニケーションや雰囲気が生まれやすい。そんな特殊な、ある意味でひねくれた場面(もちろんいい意味で)を捉えたユニークな作品です。

https://www.instagram.com/rkbysiii/



「M」ブース:斉藤 和紀『縮まる距離、十猫十色』



約3年にわたり外猫や地域猫を撮り続けているという斉藤 和紀さん。
今回の展示ではそんな猫たちの表情をモノクロームで捉えた作品を展示しています。

『十猫十色』のタイトル通り、そこにはさまざまな場所、さまざまな場面で出会った猫たちが写し出されています。

モノクロの作品は雑司が谷にあるレンタル暗室・AMALABOさんで自らプリントした意欲作。
黒が締まっていて、ハイライトのディテールも綺麗に出ています。もちろん猫たちの柔らかそうな毛並みも、中判フォーマットで撮影したとだけあって精緻に表現されています。




ZANZA BRONICA S2(たぶん)とだらけた猫。

地域猫や外猫は特定の飼い主を持たず、その街に住む猫たちのこと。
しかし、写真でも写されている通り、その地域の人たちの愛情をたっぷり受けて、たくましく日々を生きています。そんな猫たちを写す斉藤さんもまた、愛に溢れた眼差しでファインダーを覗いているのだろうということがひしひしと伝わってくる、温かい作品です。

http://instagram.com/w_a_k_i

「N」ブース:Tact『a moment in my life』




つづくTactさんの作品も大変温かみのある作品たちが並んでいます。
「身の回りの一瞬を切り取りました。」という写真たちは、そのどれもが決して忘れることのできない大事な瞬間です。

自身のお姉さんのもとに生まれた赤ちゃんをグッと近くまで寄った写真で構成された真ん中の作品。もう愛で溢れています。少し暖色に寄ったフィルムの風合いも雰囲気を暖かくしています。





生まれる前、直後、そして腕の中。時系列を追った一連の写真は、カット数は最小限なのにどこまでもドラマチック。新しい命の生まれる瞬間を写真で収めることほど尊い行為はこの世にないのではないかと思ってしまいます。当事者でなくてもつい頰を緩めてしまいますね。それほど説得力があり、強い写真なのだと思います。

https://www.instagram.com/tact_film



さてさて、#filmisnotdeadはまだまだ始まったばかり。
文章と写真でダイジェストでお伝えしてもこれだけの物量なので、実際の会場ではそれを凌駕するほどの写真で溢れかえっています。ぜひお立ち寄りください!そしてカメラを持ってフィルムを詰めて、街に出ましょう!

EAST101「G」〜「I」、「O」〜「S」ブースの紹介ブログはコチラから。


【使用スペース:EAST101】