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わたしじゃないっ展


人(自分)が人(他人)と接するときに、
自分は相手に合わせた自分になる。
アメーバのように形を変え、どれが本当の私かわからない。

どれも本当の自分のような気がするし、
どれも本当の自分ではない気がする。

そんな風に、WEST 1-B で展示している「わたしじゃないっ展」は
とても興味深い内容になっています。




キャンバスから突き出る唇。
口内には言いたくても言えないことが
外気に触れそうで触れない状態で留まっている。

日常で何もかも言える人なんて居ない。

鬱憤は、こうしてアートに昇華させてなんぼのものでもあるんです。


写真作品です。
仕事の顔、学校の顔、プライベートの顔、素顔。
こちらはストレートに「顔」で表現したもの。

とは言え、一重に顔とは言っても
ナチュラルな表情を捉えるのはカメラマンとしての力量を問われるところですね。


この立体作品には対人関係のみ生まれるモヤモヤしたものを表現しています。

3人以上の人が集まったときに生まれる人間関係の内面的な歪曲。
表面化するしないは別として、
確かに2人で話すときと3人以上で話すときでは
何か気を遣う部分に違いがあるように思います。


それぞれの指先から伸びた糸が中心で繋がり合っています。


服の展示もこれまた面白い内容となっています。
テーマは「丸」

真ん丸に裁断した布を2枚使い、形を出していく。
手に取ってみれば一目瞭然。
本当に2枚の丸い布から出来ているんです。


さらにその「丸い布」を使い、デザイン展開をします。
ひとつはクールなワンピース、
ひとつはキュートなワンピース。

同じ形、同じ素材のものを使ってここまで完成像が違ってくる。
面白い試みです。


最後は照明。
そのまま間接照明として持って帰りたくなるような、実用的デザイン。
実はこれ全て13枚の紙から出来ているんです。


これがその紙。
表にして組み合わせれば四角い立体が出来ます。
裏にして組み合わせれば丸い立体が・・・。

この表裏で違ったものになるという性質は、
人の持つ多面性を表していると言っていいでしょう。




部屋、作品を白で統一し、
余計なものは置かない。
初めての展示だそうですが、こだわりを強く感じました。

展示期間は本日(3/8)までですが、
次回の展示が楽しみです。



--- けんや ---