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藝大生になるということ。


-DFGフリーマガジンVol.6-に掲載致しました

「DFG出展者対談(藝大生になるということ)」

の続編です。
対談して頂いたのはこのお二人(敬称略)

廣田智代(左) : 東京藝術大学美術学部絵画科油画科在学中 

片野彩(右) : 東京藝術大学美術学部大学院デザイン科在学中


お話は深夜に及びました。
深夜のお話って、ほら、盛り上がるものですよ...。
割愛せずに、前編後編2部構成に致しました。
出来れば深夜に、じっくりとお読み下さいまし。




K→片野彩
H→廣田智代

前編 
「今のアート業界やアートのあり方をどう思いますか?」


K
私の少ない知識の中で知ってる限りでは、昔よりインスタレーションなどの表現が社会に受け入れてもらいやすくなってるんじゃないかなって感じます。

H
そうですね~、それは思います!だんだん寛容になってきましたよね。
私は、こんなに生活に密接に関わってるにも関わらずそれを認識しないまま距離を置いていることが不思議でしょうがないです。


K
地域復興とか、町おこし、村おこしなどで活用されてる例えば新潟の越後妻有のトリエンナーレも、殆どがそういうものかりで、なのに村の人たちは分からないなりにもうまく楽しんでそれを受け入れてくれている感じがしました。論理的になるり、感覚を大事にする状況になってきたのは少し嬉しいかも。

H
私の地元でもアートと地域を絡めたイベントが増えて、街の雰囲気が少しずつ変わっているのを実感します。

K
確かにそれぞれ人に密接していることなのに距離を置いてるって不思議!
自分には出来ないからとかそういう人たくさんいるけど、実際周りはそういう物体ばっかりだし、あれ意味わからなくなっきた。

H
そうですよね~~。

K
地元どこですか?

H
熊本です!

K
ちなみに私生まれ落ちた場所が新潟です!熊本もそういう風になっているんですか!

H
おおお~~新潟なんですね!熊本の現代美術館と河合町というところがだんだんそういう風に変わっていっています!

K
新潟のおじいちゃんの街も、駅だけがすごくキレイになってるけど商店街とかは本当にシャッター街でさみしいんですね。
トリエンナーレがあった妻有はそことはすごくまた遠いところなので、おじいちゃんのところもこういう風になったらいいのになあって感じます。

H
前よりも面白い企画などやってます!今までの美術館のイメージとは違ってすごく、過ごしやすいです。笑

K
地元に現代美術館があるのうらやましいです!まだ少ししかないけど、全国的にひろがっていって欲しいですよね。そういう企画。
実際妻有にいったとき、地元の人たちに「こういう意味わからないアート作品が置かれるのってどう感じるんですか」って聞いてみたんですよ。
そしたら「いや~全然わからないけど愉しいからいいよね~!」とか 「これでいろんな人が全国から来てくれてるからおれは嬉しいよね~!」とか

H
ふむふむ。

K
やっぱりプラスに考えられてることが殆どで、それって本当の意味でいい方に向かってるんだなあって感じました。

H
そうですね!今までの美術館のイメージとは違ってすごく、過ごしやすいです笑 やっぱ、モノがあるだけでそこの空間の意識が絶対変わるはずなので、わからなくとも、そこに存在するってだけで人の意識が変わればいいですね!

K
ね!でも、自分の場合意味とかすごい考えちゃう時があるので、ちょっと苦しいんですよね。笑
人の作品だと愉しい、面白い、不思議、気持ちいい、とかで終わってもいいんだけど、作る側になると「こう思ったこう感じたからこう表現する。で何なの?」みたいな考えになっちゃって悩んでしまう。

H
なるほど。

K
でもある人からは「こう感じたからこう表現する」それでいいんじゃないかって言われたんですね。正しいとか正しくないとかアートにはないと思うんですけど...。

H
そうですね、私は後者かもしれません笑、性格的に言いきってしまいます。笑

K
私はそれでどう思えばいいのかなってなっちゃうんです。同じですね。笑

H
嬉しいです。笑

K
なんかこう、曖昧なのって嫌ですよね笑、でもその曖昧さを結果的に表現しちゃったりするときもあって。

H
分ります、わかります~。

K
それが意外と好評だったりすると「なんなんだこの世の中」ってハテナだらけになる。笑

H
ありますね、そういうこと笑、で、な~~~んだって開き直ります。

K
そういうときの作品ってどうします?崩します?笑、開き直る?!

H
私はとっておくことにしました!一度、捨ててしまったことがあって...。

K
後悔した?

H
後で後悔したことがあるので。笑

K
同じーーー!!笑

H
あはは!その場ではよく言われなかったんですけど、あとから色んな人にいいねと言われてあれ!?だよね???みたいな。笑

K
マイナス部分もプラス部分も曖昧な部分も残しておかないと自分の変化の材料になりませんもんね。笑

H
そうですね。笑

K
自分が腑に落ちなくても、周りから好評だと「あれ、そうだったかも、え、そうなの?」って結果どういう作品なのかわからなくなるっていう。笑 そういうのばっかりな時もありますよね~。

H
そうですね~~~~、でも最近は、自分がいい意味で気が抜けてリラックスしてれば、絵が描けるとわかりました!

K
ほう!もよちゃんはそうなんですね!リラックスしてればって、悩みとかが少なくなったり、追われてることがなかったりするときですか?

H
いや、気持ち的に?

K
状況関係なく、か。

H
でも、無理して頑張ってるとやっぱり、頭が付いて行かなくて描いてても悪い状況に気付かないというか・・・・、難しいですね。笑

K
麻痺しますね、うんうん。私は逆に切羽つまってたりするぎゅうぎゅうな気分のときにしか殆どいいのできません。笑
稀に物凄く半端なく小鳥のさえずりとか妄想で聞こえてきちゃうぐらいの時にも描けますけど、笑

H
それ、逆にすごいです!!!笑

K
2年に一度あるかないかくらい稀なことですよ。笑

H
いやいやでも、自覚しながらもそれで保ててるのがすごいです~!、私は逆なので!

K
私もすごいとおもいます!笑 やっぱこういう時じゃないとできないのかって切なくなりますけど。笑、でもその状況も気持ち良さそうでうらやましいです。
なんか、感覚的に面白く、奥深く、感じられるものを作ってそれをさっき言ったような街おこしみたいなものにできるくらいまでいけたらとっても嬉しいな~。
今はまだ主観的すぎてそういうのに進めない。というか進もうとしていないだけかもしれない~。

H
笑。でも、正直難しいですよね、それこそ、ひょんなところで誉められるように自分では予想してないところで他人に影響を与えているかもしれませんもんね~。

K
そっか、そういうものか。なるほど。悩んでもつくることやめるのは勿体ないですよね。


後編に続く