屋成千世 『鳥を見た』
2021.8.20 - 2021.8.23
[ EAST 301 ]
油彩画を描いている屋成千世さんの個展が開催いたしました。大きな絵画が並ぶ迫力のある展示です。絵画の持つ力を引き出し我々に届けてくれる屋成千世さんの作品をご紹介していきます。
大きさ、色、筆跡のどれもが観る者に強いインパクトを与えてくれる屋成千世さんの絵画。普段、目にするモノを常識に当てはめて作品を観ると肩透かしを食らいます。作品のアイデアは日常生活を送る中でふと思い付くことが多いそうですよ。
こちらは猛火の中に佇む人を描かれた作品。過酷な状況の中、感情が読み取れない表情で真っ直ぐ前を見つめています。よく目を観てみると何かが描かれています。
目には少女と思われる後ろ姿が。面白いのが左右写っているものが異なる点。同じところを見ているのに左右の目で見えているものが違っているのでしょうか。自分の左右の目がモノを同じように捕らえていると勝手に思い込んでいるだけで本当は違うのかもしれないと、新鮮な疑問を与えてくれる作品です。
こちらは宇宙のカプセルホテルというSF感たっぷりな作品。周りにはたくさんの星々たちが輝いています。宇宙が広すぎてこのホテルのサイズ感が把握しづらいですが、実は近くで見るとホテルの手前にパンのカス程に見える土星が漂っています。想像し難い規模のサイズ感です。
こちらはとてもデザイン性の高い絵画で、ゆらゆら流れていくような模様と涼しげな色合いが爽やかな気持ちにさせてくれます。真ん中の円は地球を表しており、マクロで見た時の規則的な動きを表現されているかのように思えます。
こちらも真ん中は地球を表しており、外側に放たれていくエネルギーを描いております。当たり前ですが人間が生まれる前から存在している地球。その地球が作り出すエネルギーを模様で描いて表現されているのがこちらの作品の魅力です。
こちらは太陽を描かれており、地球と比べると破壊的な力強さを感じます。空間に影響を与える高エネルギーを厚盛りの絵の具で表現しているので物質感も味わえる作品です。
屋成千世さんは、この世界のあらゆるものを肯定できる心の広さと愛のある人なのだと感じました。これから屋成千世さんが表現する世界観も楽しみであります。
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[ EAST 301 ]
staff:Chi