山羊蔵 『山羊蔵展2020』
2020.9.4 - 2020.9.6
[ EAST 101 ]
動植物の立体作品を手掛けている山羊蔵さんの個展が開催されました。生命力を強く感じる作品群の展示様子は圧巻。通常の動物には見られない魅力を持った生命体に釘付けになること間違いなしです。
山羊蔵さんは様々な動物の立体作品を作られていますが、特徴的なのは身体が部分的に植物になっているところ。動物と植物が融合し、神秘的な生命体へと姿を変えています。
全体像は動物の形を保っていますが、間近で鑑賞すると木や葉、苔など植物要素が多く、動物であったことを一瞬忘れてしまうほどです。
2匹の白ねずみはそれぞれ違う色の花が咲いています。ねずみの表情や仕草だけではなく、植物部分の色のイメージや形によって新たな個性が生まれています。
壁掛けのヤギの頭部作品。目力や角の形状、そしてじわじわ皮膚が植物に変化していく様子が迫力ある作品です。
山羊蔵さんに作品について伺ったところ、制作スタイルはエスキースなどせずに制作しながら形作っていくそうです。材料は石粉粘土や樹脂などを使用しており、異素材を組み合わせて作られています。
山羊蔵さんが作品制作で意識していることの一つに、「魅力的な空間を創ること」を挙げられました。作品の周りを取り巻く空気の流れ。奥に抜けていく空間。これらは作品を見る角度で全く違った見え方になるものだと思います。360°のどの角度から見ても魅力ある作品になるよう心掛けて制作されているので、ゆっくり鑑賞したい作品です。
角度、距離によって動物が主となることもあれば植物が主となり風景のように感じることもあります。森を俯瞰して見ているかのような錯覚で、より空間を感じることができます。
アマビエ様の作品もございます!細部までリアルで現実にいるような気がしてしまいます。
2020年から条件付きでオーダー制作を開始されたそうで、こちらのクジャク作品もオーダーで作られたもの!色味が豊かで赤色の種類も多い豪華な作品です!複数の材料を使用していながらも自然と一つにまとまっています。
展示会場では作品集も販売されており、今回展示されていない作品や制作過程も載っているため、こちらも必見です。
「空間」というワードを意識しながら鑑賞すると、より楽しめると思いますので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
作家情報
■ 山羊蔵
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staff:Chi