濱口 真央 『濱口真央個展『箱庭の蝶Ⅳ』』
2019.11.1 - 2019.11.6
[EAST 301]
どういうわけか、放っておくことができない親近感。美しく描かれた少女を通して誰もが抱いたことのある感情を無意識に感じ取っているのかもしれません。
作品に秘められた作者の想いを一緒に考えてみませんか?
濱口さんの作品は、少し哀しげな表情を浮かべる少女が登場します。
白く美しい肌を持つ少女はどんな感情を持ってその場にいるのでしょう。どうしても少女の想いが気になります。
闇のように暗い空間に少女たちは存在し、鑑賞者を世界に引き込みます。
顔の表情と同じくらいに少女の存在を訴えてくるのが「手」です。脱力しているようにも思えますが、少女の殻を破りたいという意思のようなものも感じ取れます。複雑な感情が全身で表現されています。
暗闇の中にいる少女たちですが、どこか柔らかな印象を受けます。きっと哀しんでいるだけではなく、希望に向かってゆっくり人生を歩んでいるのでしょう。
レースの透明感は圧巻。繊細な模様と透き通った白色に魅了され、いつまでも鑑賞し続けられます。
繊細なレースの模様は、少女の心情と重ね合わせてみることもできます。思春期の不安定でありながら感受性豊かな時期。他者と一線を引いてしまうベールを纏いながら自分自身と向き合うこともあるでしょう。そんな大人になると忘れてしまう若い頃の気持ちを思い出させてくれます。
展示空間はゆったりとした時間が流れ、現実の目紛しさを忘れることができます。展示数も多く、1枚1枚鑑賞することで濱口さんの世界へ深く入り込んでいけるでしょう。
展示スペースではポストカードやバッジ、ミラーなどのグッズも販売しています。
また、濱口さんのお祖母様が編んだ靴下も販売していますよ。配色がとても可愛く、しかも一点物。これからどんどん寒くなるので、今年の冬の靴下を探しに来てみてはいかがでしょうか。靴下のタグのデザインは濱口さんによるものです。
濱口さんの作品は近くからでも離れてみても感動する作品です。作品の素晴らしさを写真では伝えきれないので、実際に鑑賞していただくことをお勧めします。
作家紹介
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[EAST 301]
Staff Chi