上田恵都/佐藤茉優花
『コップの中のふたりスペクトル展』
2019.8.15-2019.8.17
[WEST 2-C]
自然光が柔らかく差し込むこじんまりとしたWEST館2階。
小さなお部屋の中には、二人の美大生の優しくて自由な表現が広がっていました。
現在武蔵野美術大学空間デザイン学科に在学している上田恵都さんと佐藤茉優花さん。
写真と絵と詩、そして空間そのものが作品のように洗練されたスペース内。
しかし、そこには美大に通う中での悩みや自分の表現したいものへの愛情、様々な感情が入り混じっていました。
上田恵都
レトロなピンナップガールのような雰囲気が漂う、乙女でちょっと色っぽいこちらの写真作品。
50〜60年代に流行した水着をファッションの一部として取り入れています。
青のビニールボールと赤の衣装がポイントとなっていてとっても可愛らしい印象に!
さらに、上田さんが描かれたイラストを実写化する、という試みからきているのだとか。
こちらはフィルム写真。
日常の中で撮影されたものだそうで、お祭りの様子であったり、水辺で涼むカモがいたり…何気ない日常もフィルムカメラの独特の風合いでもって、ほんの少し非日常感に。
そして目線を下に向けるとアヒルちゃんが!空間自体にもとても味があり、見ているとどこか心が落ち着きます。
佐藤茉優花
佐藤さんの作品は言葉と写真を用いたインスタレーション的作品。
きっと誰しも感じたことがあるであろう、生きていく中で感じる寂しさややるせなさが、小文と写真とともに語られます。
眠りに落ちる時。最も思考が揺らめく時間。
何も考えたくなかったり、ひどく落ち込んだり、憂鬱になったり、負の感情を抱いてしまうときもしばしば。
言葉とその一瞬を切り取った写真を見ていると、強い共感とともにどこか救われたような気持ちにさえなります。
憂鬱だった言葉の中に、ひとつの光を見つけました。
美大で様々な視野を学ぶ中で、課題に追われ、自分が本当に表現したいものをある程度制限されてしまう1年や2年。
そんな中で、自分の作りたいものを自由にやりたい!という二人の意思がぎゅっと詰まっています。
うだる暑さの8月。夏休み。
この空間に居ると、どこからかさらり、さらりと爽やかな風が舞い込んできているような、涼やかで心地の良い時間が流れていました。
本展は8/17(土)まで。
@k3ue_
@raindrop_art_1126
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[WEST 2-C]
staff kome