Victoria S Thomas『Moonies Pilgrimage to the Rose of Jericho』
2017.12.1 - 2017.12.3
[EAST 203]
私たちの体という場所は、多くの微生物たちにとって「家」のような存在です。
それら微生物達は肉眼では見えないけれども、たしかに存在していて、私たちが経験する全ての物事を、いわば同時に経験していきます。
Victoriaさんはそんな微生物達を「Moonies」として独自の感性で表現しました。
私たちの体にもきっといるかもしれない「Moonies」たちの様子を、美しい水彩やイラスト、立体作品として制作しています。
Victoriaさんは子供の頃から引越しが多く、多くの都市や州、国を旅してきました。
あまりにも多くの場所を転々としたことが、Victoriaさんにとって帰るべき場所としての「家」という感覚や、どこかに属するということを難しくしました。
《Hawaii》Watercolor, Illustration
転々と出会いや別れを繰り返してきた為か、Victoriaさんにはいつも喪失感があり、帰るべき「家」と呼べる場所を絶えず探していましたが、年月を重ねていくにつれ「家」という場所は一つでなくてもいいのではないかということ、さらには「家」というのは場所ではなく「感じること」なのではないかと思うようになりました。
それを作品として表現したものが今回の展示作品「Moonies」です。
《Rose of Jericho dormant》Drypoint Etching, Watercolor, Illustration
Victoriaさんは今回の展示では、エリコノバラという植物を「家」とする「Moonies」たちも描いています。
エリコノバラとはアフリカの砂漠に生息する復活草のことで、何百年も水無しで休眠することが可能な不思議な植物です。
《Rose of Jericho in bloom》Drypoint Etching, Watercolor, Illustration
ほんの少しでも雨が降れば息を吹き返し、わずか数秒で花を咲かせる事ができます。
Victoriaさんにとってエリコノバラは、成長の美しさと力を表すものとして、
ロマンスの限界を超えて、この世界には様々な多くの愛の形があるということの象徴なのだそうです。
神秘的な雰囲気も感じられる作品たち。
展示は12/3(Sun.)までとなります。
是非[EAST 203]へ足を運んでみてくださいね♪
ご来館お待ちしております。
<Victoria S Thomas>
DESIGN FESTA GALLERY 原宿
Staff Jun