「巣食う」土屋 純 |
ダークなお話展
2016.12.10 - 2016.12.12
EAST : 204 SPACE
中央大学多摩絵画同好会、共立女子大学、実践女子大学、成蹊大学、
東京家政大学、東京都市大学、東洋大学
計7団体による合同展、テーマは「ダークなお話」
会場入口に掲示されたポスターが、
妹を安心させようと抱き寄せる兄弟のミニチュアでございまして、
違った意味で期待が高まります。一部作品をご紹介いたします。
本スペースは、展示空間とは別にキッチンが備えられておりますが、
本展ではこのキッチンも展示空間の延長にあります。
水場に置かれた作品は、まるで水にまつわるお話が、
描かれ・語られているような印象を鑑賞前から受け取りました。
「目々と森」村岡 鮎 |
大きな棚部にぽつんと取り残されたように鎮座する本作。
構図は遺影に似ていて、血塗りを思わせるフレーム、
背景と同化するボディ、夜道みたいな瞳。
何も語らずとも、話しが始まらずとも、
もうダークな出来事は始まっている。
「Lance Trophy」Ana Gram |
本作は真正面から鑑賞してもその魅力を堪能できない。
実はパープルの瞳の部分がえぐれ、凹んでいるのです!
なんか変だなぁと思い、近づいて、やっと気付く。
目の部分がくり抜かれて絵画があって、
そこから別室を覗き見する映画や漫画がありますが、
それに実際出会したら押し寄せると予想される
「???」と言えば良いのでしょうか。
カジュアルな不安が、あります。
「死神の子守唄」佐藤 菜々子 |
竪琴を聞く動物が骨だけで構成されている、
という描写が個人的にとても好き。
「死」は絶対悪では決して無いし、
青空も鮮やかな花もあっておかしくない。
過剰にネガティブな表現はされておらず、
ただ、淡々と死を想起させる描写が続く。
大半の評価は主観に過ぎないことを念頭に、
作家なりに真摯に世界を練り上げる姿が想像できて、
もっと描かれていない部分を見せて欲しいと思った。
ダークなお話展
2016.12.10 - 2016.12.12
EAST : 204 SPACE