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『森に沈く -Woods-』蛭間 友香

『森に沈く <もりにしづく> -Woods-』
蛭間 友香
2016.10.8 -  2016.10.10
[EAST 102]

月明かりに照らされた、漆黒の夜の森。
心地よい静けさのなかで響く鐘の音に、
ゆっくりと感覚が研ぎ澄まされる。

蛭間友香さんによるインスタレーション作品が本日より公開しました。



東京藝術大学大学院に在籍中の蛭間さん。
デザインフェスタでは巨大ライブペイントでご出展いただいており、
その独特な制作スタイルと圧倒的な存在感が記憶に新しい方も
多いのではないでしょうか。

今回の展示会では設営に2日間をかけ、漆黒をベースにした異空間を出現させました。
展示会の前には一時アラスカに滞在されていたそうで、そのときの経験が
今回の「森」というテーマを形作っているようです。

円形の糸の束とそこから生まれた影でつくられる、漆黒の木立。
頭上から垂らして設置されているのですが、地面からしなやかに
のびているようにも見えます。
時おり吹き抜ける風に、形をくずして揺れる様も美しい。

“沈(しづ)く”とは、「(水底に)沈んでいる」「(水面に)映っている」の意。
中央には水をたたえた小さな池が。
照明の光がまるで月のように穏やかに浮かびます。

スペース内で響く鐘の音はバリの風鈴のようなもの。
風鈴より少し落ち着いた、しっとりとした音が響きます。
実際に風を送って鳴らしているそうで、一定ではないリズムが
暗闇のなかでも静かな安心感をもたらしているのかもしれません。

華やかさと、静寂をはらむ蛭間さんの世界。
印象深く記憶に刻まれる作品です。
ぜひ、会場で観て、感じてみてください。


【出展スペース:EAST 102】

DF staff nakagawa