旅する工芸
『旅する工芸』
2016.2.19-2016.2.25 at WEST 2-D
愛知県立芸術大学、金沢美術工芸大学、東京藝術大学の学生からなる展示『旅する工芸』。
工芸の世界に魅了された学生たちが、それぞれのスタイルで表現した作品の展示会です。
今回はほんの一部、作品を紹介いたします。
この展示のコンセプトについては、ギャラリーWEBサイトに掲載されている文章がすごく素敵だったので、まずはそちらを。
出会いと別れ。生きていれば何度でも訪れるもの。
人生の始まったばかりの旅路の中で僕らが見つけたそれぞれの工芸。
気の向くままに風の吹くままに。私たちは旅をする。
昨日はあの町、今日はどの町?
工芸とともに私たちは旅をする。
人生の始まったばかりの旅路の中で僕らが見つけたそれぞれの工芸。
気の向くままに風の吹くままに。私たちは旅をする。
昨日はあの町、今日はどの町?
工芸とともに私たちは旅をする。
「伝統」と言う言葉とセットで語られることが多い工芸。工芸とは技術の継承とも言えます。
もちろん新しい技術を取り入れ日々アップデートされる表現もありますが、
今回の展示ではまさにそうした長い歴史の線上にいる学生さんたちが、
自身に合ったスタイルで作品作りに真摯に取り組んでいる姿勢が感じられます。
河野紘幸
『Hate』というタイトルの友禅染めによる作品。
心の奥底にある、ぐちゃぐちゃの感情が形となって現れたような感覚。
砂糖菓子のような外見に、思わずちょっと「おいしそう」と思ってしまいました。
磁土をろくろで形作られていますが、花びらの一枚一枚のディテールが目をひきます。
磯田理恵
実用的な一品も。
描けた月のような形をしたこちらは絵具のパレットです。
狭いアトリエで作業をする人、同時に多色用意しながら描きたい人のためのコンパクト設計。
下に来るパレットの口を覗くことができるように、重ねることができます。
ステンドガラスで聖カタリナ像を表現した伊藤美和さんの作品。
聖カタリナのシンボルでもある車輪のシャビーな色合い、
それと好対照に鮮やかな赤、
美しい流線形。
どれをとっても繊細で美しい。
齋田春乃
『銀河のブローチ』
四角く切り取られたなかに、宇宙が詰まっています。
織田雪穂
この一輪挿しのために、生活に花がある暮らしをしてみたいと思いました。
玄関先やキッチンなど、どんな場所においても、そっと寄り添うように日常に入り込んでくれそう。
こうして作品を見てみると、工芸という分野は私たちの生活に一番近い場所にある芸術なのではないでしょうか。
必要とする人がいるからこそ、作る人がいる。
そうやってできた作品は誰かの手に渡り、もしかしたらまた違う誰かのもとに移るかもしれない。
人と同じように、作品もまた旅をする、そんな壮大なストーリーまで想像してしまうような、すばらしい作品の数々でした。
【使用スペース:WEST 2-D】
isaka