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谷本 勝彦 『夢幼細胞』 [303:11/16-11/18]

谷本さんの個展です。
入ってすぐ、目を引くインスタレーションから展示が始まります。

これらは震災によりばらばらになった虚構の文明社会、ならびに瓦礫・死体の山、地球などが暗示されています。

谷本さんが表現しているのは、自然への畏怖と文明社会への警鐘。
私達はともすると、大きな自然の中で生かされているのを、日々の文明生活のなかで忘れてしまいがちです。でもひとたび災害が起これば、たちどころに虚飾に彩られた便利な生活は崩れさってしまう・・・。



生物、植物、エネルギー。
谷本さんはホームセンターなどで購入可能な人工物を使って有機物を表しています。
そうすることで、無機物を有機物へと還そうという意味も込められています。




 有機的な動きを感じさせるデザインから、植物がにょきにょきと生えています。

文明という秩序が流れさって、そして新たな秩序が生まれて行く。

確かにあったものが、簡単になくなってしまう様子を目の当たりにすると、現実と非現実、意識と無意識、実像と虚像は紙一重だと気がつかされます。

「夢幻細胞」とは、そうしたうたかたの私達の世界なのです。

DF STAFF KOZUE