鈴木明日香、中島舞、今井菜々美 『三人展』
2021.2.28-2021.3.3[WEST 1-B]
東京藝術大学 日本画専攻にて学びを共にする3名の合同展示が開催中です。
日本画ひとつとっても、その色遣いや描画スタイルは三者三様。
穏やかで澄み渡った空気が流れる展示空間をご紹介いたします。
鈴木明日香
鈴木明日香さんは抽象的な表現をメインとした作品を展開。
中でも箔を使用した作品群は、サビのように見えたり、焦げ跡のようにも見えたり、クラシカルなイメージにも感じられます。
こちらのkakuシリーズは、ふつふつと内側から湧き上がってくるようなテクスチャー感は、鑑賞者に想像の余地を与えます。
キャンバスに留まらず、様々な表現技法を試みられている鈴木さん。
工芸作品にも限りなく近い、その洗練された繊細な世界観は、見ているだけでどこか背筋が整っていくようです。
中島舞
街中の風景や植物を中心に作品を展開されているのは、中島舞さん。
人気のない風景ではありますが、ほんの少しの寂しさの中にもどことなく人の生活を感じさせる温かさが作品から感じ取れます。
華奢にすらっと伸びる木々、おおらかに佇む広葉の植物。
生活の一部に確かに存在する植物たちは、建造物の中で豊かな存在感を放っています。
統一感のある配色で描かれているそれらは、どこかひとつの街の風景にも見え、静かな生活と無情感も感じられるよう。
今井菜々美
今井菜々美さんは、静物やポートレートを中心に、温かみのある配色で作品を展開中。
ドライフラワーやぬいぐるみ、落ち葉といった、日常的で柔らかいモチーフを丁寧に描画されています。
誰もが見たことのあるそんな風景にどことなくノスタルジーも感じられ、懐かしい気持ちに。
花瓶やソファといった、丁寧で優しい室内の日常風景は、まどろんだ休日の様子のようにも感じられ、とても優しい気持ちになります。
部屋にそっと飾られていたら、とても心地のよい空間になりそうですよね。
もうまもなくやってくる春。
柔らかく温かい風がとてもよく似合う、美しい展示空間となっております。
1点1点から伝わる、静かで穏やかで、情熱的なエネルギーを是非感じにいらしてください。
展示は3/3(水)まで。