旅屋うつし『めざめ展』
2017.11.23 - 2017.11.26
[EAST 203]
普段は映像制作中心ですが、写真や銅版画の制作にも精力的に取り組んでいる旅屋うつしさん。
今回は大きく写真の展示エリアと銅版画の展示エリアに分かれて展示されています。
展示の様子を一部ですがご紹介致します。
壁面をまるでキャンバスのように使い、その場で写真を構成し、あるイメージを伝えています。
まるで絵を描くように、写真の一つ一つを材料にいくつもの視点を凝縮させ作品を作り上げています。
この作品を眺めていると、旅屋うつしさんの想像の過程、イメージの道筋をそのまま辿っているような感覚が味わえます。
《記憶》
写真を撮影しただけでは表現できない人物の雰囲気やイメージ等々、絵を描く過程で手を動かしながら記憶を手繰り寄せるような作業を写真という材料を使って表現しているかのようです。
《花壁》
花壁と題されたこちらの作品は、旅屋うつしさんの記憶の中に眠る美しい花々の景色を、贅沢に一つの壁にデコレーションした色鮮やかな作品です。自分の中に眠る美しい景色がひとつの空間に表現され一度に目に飛び込んでくる、そんなときの作者の気持ちはどのようなものなのでしょうか。
《雪景色Ⅱ》
しんしんと舞い落ちる雪が印象的なこちらの作品、かすかに灯りの灯った街の様子を眺めていると心まで冬になってしまうかのようですね。
写真が展示されている反対側は銅版画の展示スペースになっています。旅屋うつしさんの様々な表現方法に驚きます。
《うつろい》
人が作り出したものは常に変化し、永遠に続くものはありません。
時の移ろいによって変わるものは物質的なものだけではなく、人の記憶もまた移り変わっていきます。抗うことのできないものに焦点をあてたとき生まれたかのような作品です。
《思出》
こちらの作品は、銅版画の様々な技法を組み合わせて作り上げられた旅屋うつしさんのこだわりが強く感じられる作品です。ドライポイント、エッチング、アクアチント、シルクスクリーン、シュガーアクアチント、マジックアクアチント…使用する版毎に飛沫模様のような表現や、長時間酸に浸けておくことによって微妙な表現を獲得する技法等々、面白い技術を詰め合わせて制作された旅屋うつしさんの技術あっての作品です。
製作時使用した銅版も同時に展示されています。どのように版を組み合わせて作品を作り上げていったのか、想像の過程を辿ることができます。
様々な技術を使用することで作り手さえ思いもしなかった偶然が作り出す表現、自分というものを超えた表現が獲得できます。
そんな過程を鑑賞する側も感じることができる展示となっています。
ご来館お待ちしております。
プロフィール
<旅屋うつし>
1996年生まれ。
阿佐ヶ谷美術専門学校で映像を専攻。
写真、銅版画、映像、インスタレーションを軸に、
「自己形成」と「概念の逆転」をテーマに制作をしている。
2014年 學展 出展
2015年 SAIAS グループ展
2015年 18EXHIBITION 個展
2016年 第28回武蔵野はらっぱまつり 出展
2017年 あわさる展 ふたり展
2017年 Freeze Cinema グループ展
2017年 真夏のデザインフェスタ 出展
2017年 めざめ展 個展
(2018年 あわさる展 ふたり展 開催予定)
Website
http://20141106sk.wixsite.com/tabiyautsushi
DESIGN FESTA GALLERY 原宿
Staff Jun