takaさん、初個展
26歳最後の作品展
26歳にして初個展
26枚の作品を展示
「モノ」 を取り上げる。
はさみさん |
あなたの「モノ」には宿っていますか?
長い年月を生きたモノ達を、
人類は神格化したり、
魂の存在を信じたり。
ありふれた日常の中にある
モノたちの声に耳を傾けて。
モノたちの身体を見つめて。
ティッシュさん |
使用画材は「油性ペン、アクリル、オイルパステル」
ペンでモノの輪郭を描き、
パステルで哀愁を塗布する。
「.....使えよ」
そんな声が私の胸に届く。
その声に、期待に私が答えたとしたら、
彼ののっぺりとした表情は、
濡れたり、しわくちゃになって、
後にゴミ箱行きとなる。
悲しい気持ちになるかもしれない。
しかし、視線を再び彼の容器に戻せば、
見覚えのある表情と出会える(はずだ)
かびんさん |
シンプルな形状の花瓶。
その外側に浮かぶ表情もシンプルだ。
上部の丸い口に差し込まれたチューリップ。
そよ風、もしくは重量によって、
ほんのわずかに傾いている。
この傾き、花の健康状態は、
かびんさんそのものだと思う。
私は好きですよ、この健康状態。
ビーさんサンさん |
名前はちょっとややこしい。
「ビーさん」と「サンさん」のコンビ
黒い鼻緒を見つめていたら、
ビーチサンダルである彼らの上に足がのせられて、
そのあまりの圧に絶えきれなくなって、
鼻から血液が溢れ出す図、との想像が止まらない。
それでも尚、持ち主は歩を進め、
鼻血は止まらない。
悲鳴は親指と人差し指の付け根に響く。
ライターさん |
古きデザインのフリント付きライター。
長時間熱していると金具が高熱になって、
触れて火傷なんて記憶はありませんか?
この子の特徴はまず、顔の判断が付きにくい。
というよりも製品の形状に馴染みすぎている。
ちょっとにやにやしている感じがにくらしい。
火力調整のノブは見当たらない。
フリントとドラムを擦り合わせ、
勢い良く燃え上がる炎は想像を越えて、
私達の前髪を焦がす(はずだ)
作品を眺めていたら妄想が止まらなくなって
モノ達のプロフィールが勝手に脳内構築されていった。
モノ達は異なる用途を与えられ、この世に生を受けた。
私達はこの「用途」を求める時に、
モノ達との関わり合いを強める。
では「用途」を求めていないタイミングでは、
モノたちはどのような気持ちで、姿であるのか?
与えられた事実ではなく、
楽しんで、想像をして。
モノの傍らに寄り添う。
10月19日(土)までの公開です。
(ぱんだ)